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胃がん

公開日: 2016-09-02
更新日: 2023-12-05

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瀬尾 雄樹 医師

胃がんとは

胃がんとは、胃に悪性の腫瘍が発生する疾患です。かつては死亡数1位のがんでしたが、早期発見や治療方法の向上などにより、死亡数、罹患者数ともに減少傾向にあります。

原因

主なリスク要因には、以下のようなものがあります。

〇 主なリスク要因

  • ヘリコバクター・ピロリ菌への感染
  • 喫煙
  • 塩分の摂りすぎ
  • 多量の飲酒

など

症状

早期では自覚できる症状がほとんどありません。進行した場合の主な症状には以下のようなものがあります。ただし、かなり進行していても症状がないこともあります。

〇 進行したときの主な症状

  • みぞおち部分の痛みや不快感
  • 胸やけ
  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 吐き気
  • 貧血
  • 下血(黒い便)
  • 体重減少

など

検査・診断

まずは、内視鏡検査やバリウムを使ったレントゲン検査で、腫瘍の有無を確認します。そこで腫瘍が確認できた場合は、内視鏡で細胞や組織の一部を採取して生体検査が行われます。

これらの検査で胃がんと確定した後は、治療方針を検討するために、がんの深さや位置、転移の有無などを調べる検査が行われます。これらの検査は、CT検査やMRI検査、PET検査など、主に画像検査が行われます。

さらに、がんが大腸や臓器を覆う膜(腹膜)まで広がっていないか(腹膜播種)を調べる検査が行われることがあります。

治療・治療後の注意

主に、「内視鏡治療」「外科的治療」「化学療法」があります。

内視鏡治療

内視鏡でがんを取り除きます。がんが浅く、転移の可能性の低い早期の胃がんで、一度で取りきれると考えられる場合が対象です。取り残しや転移の可能性がある場合は、再度、内視鏡治療や外科的治療を追加で行うことがあります。

外科的治療

腹腔鏡による手術 または 腹部を切開して行う開腹手術があります。ほかの臓器や器官に転移(遠隔転移)しておらず、内視鏡で取り除くのが難しい場合に検討されます。がんのある部分と転移の可能性のある周辺のリンパ節を切除 または 胃のすべてを取り除きます(全摘出)。切除する範囲によっては、食道と残った胃や腸などの消化管をつないで再建をします。

薬物治療

抗がん剤や分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬を使った治療です。切除が難しい場合や、内視鏡治療や外科的治療とあわせた補助的な治療として検討されます。

予防

主なリスク要因は喫煙や塩分の摂りすぎ、多量の飲酒であるため、禁煙や塩分、飲酒を控えることが推奨されます。
また同じく、リスク要因であるヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)に感染している場合は、飲み薬を使った除菌が有効です。胃もたれや吐き気をはじめとした胃の不調を繰り返している場合は、ピロリ菌に感染している可能性があるため、医療機関を受診してピロリ菌の検査を受けるのがよいでしょう。

医師紹介

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瀬尾 雄樹 医師
千葉大学医学部卒業

2006年 東京歯科大学市川総合病院臨床研修医、2008年 国立病院機構霞ヶ浦医療センター、2009年 足利赤十字病院、2010年 慶應義塾大学医学部外科学教室 一般・消化器外科助教授、2013年 足利赤十字病院外科、2015年 立川病院外科医長、2018年 足利赤十字病院外科副部長。日本消化器外科学会消化器外科指導医、日本外科学会外科指導医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡指導医、日本大腸肛門病学会大腸肛門病指導医・評議員、日本内視鏡外科学会内視鏡外科技術認定医・ロボット支援手術プロクター、日本腹部救急医学会腹部救急認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本臨床外科学会評議員。専門分野は大腸、肛門系疾患。