病院・薬局検索の病院なび

記事カテゴリ

口内炎

公開日: 2016-09-06
更新日: 2021-03-30

医師紹介

上浦 大輝 の画像
上浦 大輝 院長

口内炎とは

口内炎とは、頬や唇の内側、舌、歯ぐきなど、口の中のあらゆる粘膜にできる炎症の総称です。原因や症状、炎症が起こる場所などによって、いくつかの種類があります。一般的によくみられる口内炎は「アフタ性口内炎」です。

原因

主に以下のような原因があります。

傷や刺激

口の中を噛む、火傷する、歯の詰め物・入れ歯・矯正器具、歯磨きなどによる傷や刺激

アレルギー

金属、食物、薬剤などによるアレルギー

感染

ウイルスや細菌、真菌(カビ)などへの感染

免疫機能

ストレスや疲労、睡眠不足などによる免疫機能の低下。自己免疫疾患や基礎疾患など、特定の疾患が原因で免疫機能の働きが不十分

栄養障害

ビタミン(特にB群)や葉酸、鉄分などの不足

口内環境

口の中が不衛生、唾液不足による乾燥など

そのほか

喫煙習慣 / 抗がん剤・放射線治療の副作用 / 全身性の疾患

症状

主な口内炎の種類によって、以下のような症状があります。

アフタ性口内炎

最もよくみられる口内炎です。口の中の粘膜が円状に白っぽくただれ(潰瘍)、その周囲が赤くなります。この状態を「アフタ」と呼びます。ほとんどの場合、痛みをともない、飲食時にはしみることがあります。アフタは複数が同時にできることがあります。同じような場所や症状で何度も繰り返す場合は「再発性アフタ口内炎」と呼ばれます。

カタル性口内炎

口の中の粘膜が赤く腫れて、ヒリヒリとした痛みが特徴です。アフタ性口内炎とは異なり、赤く炎症を起こすのみで特徴的なできものはできません。

ウイルス性口内炎

一般的な症状は、口の中に小さな水ぶくれ(水疱)ができ、それが破れてただれた(びらん)状態になります。発熱や痛みなどをともなうことが多いです。代表的なウイルスに、単純ヘルペスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスがあります。

カンジダ性口内炎

「偽膜性」「萎縮性/紅斑性」「肥厚性」があり、それぞれ症状が異なります。よくみられるのは「偽膜性」で、口の中に白っぽい苔のような斑点 または 膜ができます。これは拭うと剥がれますが、剥がれたあとは赤みやただれ、出血がみられることがあります。

検査・診断

基本的には特別な検査はせず、一般的な診察で症状、状況などから診断されます。再発を繰り返していたり、感染性の口内炎が疑われる場合などは、血液検査やウイルス/細菌検査、組織診断などが行われることがあります。

治療・治療後の注意

通常であれば1週間~2週間程度で自然に治ります。長引く場合は医療機関を受診しましょう。
治療は症状や原因によって異なります。痛みや炎症が強い場合は、塗り薬や貼り薬、うがい薬などの外用薬 および 飲み薬などで治療をします。原因が特定できる場合には、それに対する治療や改善を行います。具体的には、感染によるものであれば、それぞれにあった薬物治療を行ったり、アレルギーや物理的な刺激によるものであれば、それらを避けたり取り除きます。そのほか、再発を繰り返している場合などに行われる、レーザーを使った外科的治療があります。

予防

生活習慣を整える

歯磨きやうがいの習慣などで口内を清潔に保つ / 水分補給や唾液の分泌を促して口内の保湿をする / 定期的な歯科受診などで歯の健康を保つ

物理的刺激の除去

歯磨きや食事のときなどに口内を傷つけないようにする / 慢性的な刺激になるもの(歯の詰め物・入れ歯・矯正器具など)は調整する

医師紹介

上浦 大輝 の画像
上浦 大輝 院長
昭和大学医学部卒業

大学病院や国立病院などでの勤務を経て、2020年に「戸塚安行かみうら耳鼻咽喉科」を開業。大学病院の専門外来で頭頸部がんなどの診療に携わった経験を活かし、身近な耳鼻咽喉領域の診療から悪性腫瘍の診断まで幅広く対応する。専門は耳鼻咽喉科一般・耳科領域。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医、日本アレルギー学会専門医、補聴器相談医、身体障害者福祉法第15条指定医。